hosoyaalonsoの日記

文学懐疑のダンカイ世代

危機に向けて

台湾有事が刻々と現実味を帯びてきている。
来月の党大会を前に、米高官は5年後には大いに可能性ありと言い、他方、さらなる年数を要する核戦略均衡後に、との見立てもある。今後の情勢次第、また権力闘争次第だろう。

台湾は着々と備えていると見えるが、来月以降、さらに危機感が高まるだろう。
中国では共青団がやや勢いを盛り返してきたとも聞くが、今後数年で、大国の軌道修正を可能とするまでの勢いとなり得るだろうか。

いざ有事となれば、我々も巻き込まれることは必至であり、その時、日本は一体どのように対処するのか。専門家達の検討や議論はあるが、まだまだ我々自身のものとはなっておらず、共通理解や具体的な対処法の提示も、騒々しい毎日のメディアの中で見過ごされてしまっている。
数年後には切実な問題として論じられもしようが、それでは遅いだろう。エネルギー危機の問題も大きく関係してくるのである。

戦火による人的、物的被害はもちろん、軍事力の行使後に、国際秩序は果たしてどうなるのか。隣国に暮らす多数の同胞や、日本に溶け込んだ友人達はどうするのか。専門家と共に検討がなされるべきである。その根底となる経済状況の動きについても。

民主主義とは多数決の積み重ねによる政策決定、合意形成法であり、その成否は、合法的政治プロセスの構築と承認、自由で開かれた議論を経ての採決、さらに、採決後の合意受け入れ如何にかかっているのだ。

180年前の阿片戦争に来たるべき危機を察知した先人達よりは、はるかに多くの耳目が現在のウクライナに向けられているはずだが、果たしてそれは十分といえるだろうか。


現実の危機を見据えて関心を絶やさず、確実な議論と検討を経て、政策決定へと向かうべく政治を動かしていくか否かが、今の我々とその代表たる議員、そしてメディアに問われているのである。

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