hosoyaalonsoの日記

文学懐疑のダンカイ世代

2022-08-21から1日間の記事一覧

文体という仮面 小林秀雄が死んだ中原、富永を…

フランソワ・ヴィヨンOu' sont les neiges d'antan? 富永太郎訳さはれ去年(こぞ)の雪いづくにありや、 さはれ去年の雪いづくにありや、 さはれ去年の雪いづくにありや、 中原中也訳しかすがに、去年の雪今何処にありや? 小林秀雄「当麻」あゝ、去年の雪何処…

また見つかったよ。 え、何が?   永遠。

わからない、わからないよ、と呟いて見ればそこには、空と海そうだとうなずき、詩歌浮かぶ…… また見つかったよえ、何が?永遠それは海だ、ほらあそこ太陽といっしよに、彼方(むこう)へ行っちまった ランボー 紅(くれなゐ)のちしほのまふり山の端に陽の入ると…

眠れぬ夜は

ついスマホに手が伸びてしまうのだ。以前はそのiPhoneで早目の読み上げ機能にてKindle本等聴いていたのが、その後、Twitter、FacebookとSNSを始め、つい気がつけば何がなし書いているようになってしまった。さすがに全てはUPせずとも、常に発表を意識しての…

ロボットと「道徳エンジン」

書評:鄭 雄一 著『東大教授が挑む AIに「善悪の判断」を教える方法ー「人を殺してはいけない」は“いつも正しい”か?』 扶桑社 2018.5 ロボットと「道徳エンジン」 細谷 博 明快に説かれた、最先端の研究の紹介である。 テーマは「ロボットの道徳」、すなわ…

今日は死ぬのにもってこいの日

諸兄姉、お元気で何より。ご活躍中の諸君も。 先週帰名してより体調良好。東京二泊で十年から六十年振り迄の再会を果たし、ホッとした故か。知友への挨拶了、との思いでいるのだ。 むろん未だ終活半ばで諸々あれど、別れを告げ得たという喜びはかくもかと改…

薔薇園を流眄(ながしめ)で行く俏(やつ)し方(がた) ここはロハみち席料も無し 茶半

薔薇園を流眄(ながしめ)で行く俏(やつ)し方(がた) ここはロハみち席料も無し 茶半 俏(やつ)し方(がた)とは、中村仲蔵の演じた忠臣蔵五段目の定九郎の如き色悪。遊里に非ず、全てはロハ(ただ)なる公園をそぞろ歩む野暮なオジサンとは似ても似つかぬ、などと腐…

なんじバラ秘めたる朱唇(くちびる)今ぞここ 茶半

なんじバラ秘めたる朱唇(くちびる)今ぞここ 茶半 写真は魔物です。見えぬものまで曝け出す。ハッブル望遠鏡の幾十億年前、我がエロスの臍下数十糎迄も。恐るべし。

おゝ薔薇思ひぞ焼くるいま此処に 茶半

おゝ薔薇思ひぞ焼くるいま此処に 茶半 おゝ薔薇、汝燃えたり。紅蓮(ぐれん)地獄の焔と迄も。

木の人のなにをか庶幾(ねが)ひ挙ぐる手ぞ 茶半

木の人のなにをか庶幾(ねが)ひ挙ぐる手ぞ 茶半 「すいませーん、僕の冷やし中華まだですか。」 もとい、「儂の最期はまだじゃろかい。」

はす花のみごとに開き已みぬるか 茶半

はす花のみごとに開き已みぬるか 茶半

はちす葉の縁取られてや残りける 茶半

はちす葉の縁取られてや残りける 茶半

意識の場としての日常

photo by olsen_olsen 後に引いたのは、昨年6月に書いたものです。 要するに、村上春樹に共感してしまう我々は、意識というものを甘く見すぎているのではないか、と言いたかったわけです。そこで私は、「日常」を描いたすぐれた小説として、漱石の『明暗』を…