hosoyaalonsoの日記

文学懐疑のダンカイ世代

2023-01-02から1日間の記事一覧

【旧稿より】猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』

書評・猪瀬直樹著『ピカレスク 太宰治伝』 辛辣な本である。だがその辛辣さ、太宰治や井伏鱒二を語って有無を言わせぬ調子には、一種の爽快感がある。読み手はぐいぐいと引っ張られ、埋もれた過去があたかも辣腕刑事のごとき著者の手にかかって無残な姿をさ…

「わけのわからぬ感想」

今日12月30日は横光忌。 これは横光利一『欧洲紀行』の一節である。横光は1936昭和11年、二・二六事件の直前、東京日日、大阪毎日の依頼でベルリンオリンピック観戦と紀行執筆のため渡欧したが、パリではかくも憂鬱な思いを味わったというのだ。それは、吉本…