二十年前の九月、上海の小さなホテルに逗留していた。宵になってドアがノックされ、開けてみると、ホテルの主人が笑顔で立っていた。重ねた掌の上には月餅が一つ。礼を言って受取り、東の窓に寄って月を見た。中秋だったのか、と。 仕事を持ち込み、一室にこ…
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