hosoyaalonsoの日記

文学懐疑のダンカイ世代

【野口悠紀雄か高橋洋一か】 円安加速と日銀金融緩和続行

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円安加速、日銀金融緩和続行をどう考えるべきか。

友人が、野口悠紀雄氏のdiamond.jpの記事を送ってくれた。「日本のインフレ対策には「金利上昇の容認」が必要な理由、マクロ経済学で解説」https://diamond.jp/articles/-/309349
また一方、高橋洋一氏の@jcast_newsの記事も見た。「高橋洋一霞ヶ関ウォッチ  円安対策が経済理論からは「不要」である理由」
https://www.j-cast.com/2022/09/08445276.html

以下、文系脳の読解の限りでの疑問点の走り書きである。

友人は、野口氏はマクロ経済分析として正論を示したと言う。
氏には諸々の提言本があるが、これは本業の経済学者としてのものであり、その専門用語と分析による論述は、十分に信頼に足るとも見えるが、どうか。

米は「デマンドプル・インフレ」で総需要と成長率が伸びているが、日本は「コスト・プッシュインフレ」で、米の利上げ継続は正しく、日本でも何らかの対策が必要としている(と読んだ)。

以下、野口論で気になった個所、……★の4点。

【野口論文】
①野口:日本で必要なのは金利上昇容認で総供給曲線を右方向シフトさせること
 日本が今、行うべきことは何か?
 物価上昇が問題であるとするのであれば、輸入物価高騰の大きな原因である円安に対処することが必要だ。
……★「問題であるとするのであれば」との前提は何か、問題であるのか否か? 断定調を貫く論中での判断保留は可か?

②野口:以上を考えれば、今の日本で必要とされるのは、金利上昇の容認(総供給曲線の右方向シフト)だということが分かる。
……★「以上を考えれば」ではなく、「以上が正しいとすれば」ではないのか。その上での「分かる」では?

③野口:これに関しては、さまざまな説明が試みられている。
……★「さまざまな説明の試み」の総括、論評こそ示すべきでは? 以下「もある」の列記では。
 野口(続) : 例えば、非正規雇用が増え労働市場が正規労働者と非正規労働者で構成されていることが原因だという考えがある。一方で長期雇用という慣行のもとで名目賃金の下方硬直性が上方硬直性にもつながっているという考えもある。

④野口:筆者は、日本では(1)零細企業に「低賃金のプール」があることと、(2)新しい情報処理産業が発達しないためサービス価格が上昇しないことを注目している(注1)が、フラット化の問題は日本経済の分析で最も重要なポイントの一つなので、別の機会に詳しく論じたい。
……★「注目している」「別の機会に」など、いかにも著述業専門家。判断はまだ続行、さらなる購読を、か。

【高橋論文】(次の投稿でリンク提示)
また一方、高橋洋一氏の@jcast_newsの記事も見た。
元大蔵官僚、TVの論客たる氏の意見は明解とも見える。
「円安対策は不要」と断定。すなわち、金融緩和継続で可、ということらしい。

高橋:もっとも、円安のどこが日本経済に問題なのか。円安対策が必要とマスコミは囃し立てるが、経済理論からは不要だ。そもそも、円安はGDPプラス要因だ。これは、古今東西、自国通貨安は「近隣窮乏化政策」として知られている。
……★「経済理論」からは、本当にこれだけでよいのか?

景気対策での手当て」や「困った人に税収増を使えるように」をすればとのこと。
分かりやすく見えるだけに、また、氏のTVでの言動の印象もあって、どうも安心し難い、果たして、と疑念も生まれる。

さらには、このままの金融緩和続行で、はたして国債は大丈夫か。海外ファンドなどの攻撃等々、もしや長期金利上昇が始まり破綻、その結果ハイパーインフレとなり、政府債務軽減の成就と国民資産の激減で世代間公平の荒療治、等は起こらぬのか、等々。

今さら、氏の掲載雑誌や著書を読む時間も気力もないが、まあ、これで安心すべきなのかとも。

以上、FB賢兄のご意見や如何に。

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