hosoyaalonsoの日記

文学懐疑のダンカイ世代

関東大震災100年──来るべき事態への覚醒と覚悟──左翼よいずこへ

新しい年が始まって三週間が経ち、どうやら先行きが、全くの不透明さを含むものとしても、あらためて見えてきたように感じます。
内外の危機・問題の厳しさはさらに増して行くことでしょう。しかし、また同時に、われわれの覚醒と覚悟も、いよいよ定まって行くのではないでしょうか。

今年は、1923年の関東大震災から100年に当たり、富士山噴火も懸念され(火山灰の首都圏への影響大)厳重な警戒が必要でしょう。西側にいる者も、南海トラフ巨大地震の連続が懸念され、いっそうの備えと覚悟が必要となるでしょう。

この100年間、日本は、普選法、治安維持法改悪、弾圧統制、柳条湖事件からポツダム宣言受諾までの十五年戦争を経て、さらに戦後の復興、高度成長、バブル崩壊、再三の大震災、原発事故、そして低成長と、大きな過ちと責任と犠牲を伴う経験をしてきました。東京も震災と戦災とで二度焼かれ、広島長崎はもちろん、名古屋も無差別爆撃の標的とされました。恐るべき出来事でしたが、無差別爆撃は、すでにフランコゲルニカで始め、日本軍も重慶爆撃を行っていたと思えば、さらに心が痛みます。まさに戦争の世紀という20世紀は、その後も戦火がやまず、21世紀へと突入してしまったのです。

その上で、今われわれの考えるべきことは、やはり今後の世代の平和と繁栄であり、また内外の平和と繁栄だと思います。

そのためには何が必要で、それをどう考え、決断していくか。
最重要となるのはもちろん、話し合いであり、活発なる議論のはずです。
その場合は当然、重要度に応じて取捨され、優先された問題から行われるべきでしょう。しかし、はたして今のこの国の議論のあり方はどうか。

230年前のフランス革命以来の「右翼」「左翼」の区分けはもうほとんど機能していないと見えますが、いわゆる「右派」の一部の強権的で居丈高な姿勢、また、いわゆる「左派」の一部の独善的で品性を失ったかのような攻撃のどちらも、冷静な同胞同士の議論とはとうてい思えません。

「リベラル」も色々議論のある言葉ですが、ごく素朴に言えば、「自由」を求め多様な人々の異なる意見を尊重する姿勢と考えることができます。この私も様々な問題を抱えながら、できる限りそうありたいと思っている者です。

その意味で、私が今特に危惧しているのは、「左派」を自認する人々の寛容さを喪失したと見える言動です。人を呼び捨てにしたり、「死ね」と叫んだりするのは論外ですが、さらに深刻な問題は、科学的な論証に基づく反論や、現状分析を世界的な論説によって検証する立場への無理解、私も含めた老人層=多数派の既得権層に寄り掛かった政府批判によってかろうじて勢力を温存しようとする姿勢、次世代以降の将来を奪うような過度の安全安心志向、等です。(先日のNHKニュースでの「放射性物質を含む処理水」との表現には、この期に及んでさらにフクシマを苦しめるのか、とため息が出ました)

すぐれた「左翼の」の論客たちも今や鬼籍に入り、人々の心を奮い立たせるような、根源的な問いかけに満ちた論考も目にすることが難くなってしまいました。

下に引いた、原発再稼働の問題は、今の私の理解では、今後の不況脱却、災害対処と復興の基礎である電源確保、そして現在の原発停止による原油、LPG等購入増と再エネ賦課金のために毎年費やさる何兆という額を抑えるために喫緊の案件、死活問題と見えます。
このまま原子力発電技術の後退、ヨーロッパではすでに転換されつつある脱原発風潮と再エネ信仰の盲信を続ければ、この小さな国は自然災害をも受けてまさに沈没していくのではと危惧します。
その点で、岸田政権はまことに頼りなく、説明も不足、人材も不足の政府のようですが、原発再稼働と防衛費増額に踏み切ったのは、やはり大きな決断であったと考えることができるでしょう。

今後は、多数決によって選ばれた国会の場で決せられたそれらの政策を、様々な批判に耳を傾けながら、実行していく、まさに政治的な力が必要となるでしょう。それが岸田政権にあるのか否か、まだまだ不透明と言わざるをえません。

が、野党側の対応のまずさも目に余り、最も重大な案件の議論を国民的規模で行わぬままであり、現在の経済の危機と安全保障の危機に正対しない最大野党、立憲民主党の体たらくには、ほんとうにがっかりしています。野田元総理の姿勢が唯一の例外かとも思いますが、総理経験者は発言を控えるとの姿勢はやはり残念です。

いや、発言を控えるのが残念というべきは、まさに私をふくむわれわれのあり方ともいうべきでしょう。
むろん、政治家ではないわれわれは、政治的立場などを表明しない自由を確実に持っているわけですが、せめて、世論調査でもさすがに高まってきた原発再稼働賛成の意見は、少しでも掲げる必要があるのではないかと考えます。もちろん反対の意見も、みずからの言葉で。

それゆえのつたない意見表明の投稿として、参考引用とともにご覧いただければ幸いです。

大災害を前にした危機への覚醒と覚悟を、と。

#関東大震災100年 #原発稼働 #リベラル #左翼 

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